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不動産売買における売り主が非居住者の場合の注意点

掲載日:2017/4/10

今年の確定申告もようやく一段落つきました。今回のニュースレターでは、最近相談の増えている、売り主が非居住者の場合の注意点を考えてみたいと思います

1.非居住者とは

所得税法上の非居住者とは、居住者(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて 1 年以上居所を有する個人)
以外の個人(海外に住んでいる者)をいい、居住者から非居住者になるタイミングは次のように判断します。

海外に出国する際に 1 年以上海外に居住する予定となっている場合

出国日から非居住者

海外に出国する際に海外に居住する期間が決まっていない、もしくは 1 年未満の予定だった場合

出国日から1年経過した日から非居住者(海外出国後に 1 年以上海外に居住することが確実となった場合は確実となった日から)

2.不動産売却時は居住者だったが、売却した年中に非居住者となる場合

納税管理人の届出をしないで出国する場合

出国日までに確定申告をしなければなりません

納税管理人の届出を行い出国する場合

通常の確定申告時期に納税管理人を通じて確定申告を行います。

海外転勤等で自宅を売却してすぐに出国する場合には、納税管理人の届出を出しておかないと、出国日までに確定申告を行う必要があります。
何もしていないと、申告漏れの状態となり、本来の税金に加えて、無申告加算税や延滞税などが課される可能性がありますので注意が必要です。

※納税管理人とは・・・非居住者が確定申告を行う必要がある場合、日本国内に住む者を納税管理人として指定し、その納税管理人を通じて確定申告
を行わなければなりません。一般的には、親や兄弟など親族がなるケースが多いですが、知人や法人、税理士等がなるケースもあります。

3.不動産売却時にすでに非居住者の場合

非居住者が不動産を売却した場合には、原則、買い主は、売買代金の支払の際、支払金額の 10.21%相当額を源泉徴収して翌月10日までに税務署に支払わなければなりません。
つまり、代金支払いの際、非居住者である売り主には 89.79%だけ支払い、残りの 10.21%は買い主から直接税務署に、売り主の税金相当分として納めます。

なお、不動産の売買金額が1億円以下で、かつ、購入した個人が自己又はその親族の居住の用に供するためのものである場合には源泉徴収の必要がありません。

実務的には、1億円超の高額取引や買い主が業者(法人)の場合には、源泉徴収を行わなければなりません。
また、共有者の 1 人が非居住者の場合には、その非居住者の分だけ源泉徴収を行う必要があります。
手付金、残代金(固定資産税清算金を含む)と分けて支払いが生じる場合、支払の都度、翌月10日までに源泉徴収を行います。
この 10.21%の納付は 1 日でも遅れると、不納付加算税として、本来納める額の 10%がペナルティとして買い主側にかかりますのでご案内が漏れないようにご注意下さい。

このコラムの著者 石井 力(いしい ちから)

執筆者 石井 力(いしい ちから)

税理士:石井 力(いしい ちから)

若さと行動力を武器に、与えられたチャンスを着実に生かして、多くのお客様から頼られる存在になれるよう努めてまいります。

得意分野:不動産購入・税金対策

税理士:石井 力の詳細のプロフィールはこちら

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